何者かにならなくてはいけないですか?

最近 朝ドラの まれ を一気に観ました。

前半はかなり前に見て
今回は
一子さんと圭太君が付き合っていた頃から
希(まれ)の父親である徹が失踪する
先週の分までです。


当初は、
主人公が夢を叶える為のサクセスストーリー
という認識だったのですが、

夢を叶える

という、言霊。
呪縛とも言える言霊に取り憑かれ
疲弊していく人達。

単純に夢を叶える主人公の強さだけを物語にしたのではなく、
夢を叶える事に振り回され、自分を見失い、
何が本当の希(のぞみ)かを模索している
主人公の周りの人達の全ての人生を含めた
物凄いメッセージ性を持ったドラマだと思いながら見ていました。



主人公・希(まれ)
→パティシエの夢を叶え、漆職人の圭太と結婚。義母にパティシエを辞めて漆職人の女将さん修業をさせられている。

徹(まれの父親)
→仕事が長続きせず、とにかく成功する事が夢。自分の会社を持つが詐欺にあって失敗して自己破産。元社員に逆恨みされ、家族を巻き込まない為に失踪中。

藍子(まれの母親)
→自分の母親(まれのおばあちゃん)が自分を放ってパティシエの仕事に夢中だった過去や、夫の徹の仕事が長続きせずに苦労する。まれには堅実な仕事を望んでいた。

一徹(まれの弟)
→父親と同じ駄目な血を引いているのではないかと怯えている。デイトレで稼いでいるが本当にやりたい事を見つけられていない。産まれて来る子供に働く父親の背中を見せたい。お世話になった桶作家を守りたい。という思いから桶作家の塩田業を継ぎたいと思っている。

圭太(まれの夫、一子の元彼)
→漆職人の家に産まれ、ブレなく漆職人になる事を目指す。
まれや元彼女の一子に夢を叶えろと叱咤激励する。

一子(まれの友人で圭太の元彼女)
→圭太がまれを好きな事を知りながら圭太と付き合う。
昔から芸能界に興味があり何度もオーディションを受けるが上手くいかず。
圭太と能登で幸せになろうとするが、圭太に夢を追えと言われ、能登を出る。
ブログでアパレルで働いていると偽りながらキャバ嬢をする。

たかし(まれの友人)
→好きな歌を歌っていたらメジャーデビューした。

みのり(まれの友人で一徹の嫁)
→一徹と結婚する時だけ唯一頑固さを見せた。

文(まれ一家がお世話になっていた家の奥さん)
→昔、ご主人と結婚する為に他の人とお見合いした。

大吾(まれがパティシエ修業していたお店のシェフ)
→夢を叶える為にパティシエの仕事か結婚生活か選べとまれに言う。

大輔(大吾の息子)
→弁護士で年の半分は海外で放浪の旅をしている。
父親の大吾とは確執があるがボンボン。
まれの事が好きで告白して振られている。


上記のような人達の夢や人生がまれというドラマの中で同時に進んで行きます。

まれの様に
純粋に夢を叶える為だけに進める人がいる一方で
夢を叶えられずに居場所を失う人。
夢そのものを見つけられない人。
あるがままに幸せを感じる人。


まれの父親である徹さんが自己破産した時に
妻の藍子さんは徹さんを
何者かにならなくてはいけないですか?
と言って励ますのですが、

本来ならいいシーンで、
ハッとさせられる言葉なのですが

ですが、それを言ったのが
今まで徹さんに
夢を追わずにキチンと仕事しろとか
夢を追わない徹さんは嫌とか
散々振り回しておいた藍子さんです。
好き勝手な人だと思いました。

もしも徹さんの奥さんが藍子さんじゃなければ、
意外とちゃんと働いたかも知れません。

藍子さんとみのりさん。
似たタイプなんですが、
みのりさんの方がデーンと構えていると思います。

幸せは人それぞれですが
私にはみのりさんが一番幸せに見えました。

夢と幸せとコギトエルゴスムについて
考えている所です。




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